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チ ン キ ウ エ 公 社

  • sign_08.jpgチンキウエ公社
  • チンキウエ公社FUNDACLON CHINQUIHUEに行く。雨風が強い。これが冬の普通の天気だ。昨日までのチロエ島の牡蠣養殖場視察は、1年に何回もない晴れすぎの出来すぎ天気で、晴れ男だとほめられる。ラッキー。
  • ここの冬、風が強い日は、煙突の煙が逆風となって家の中に入ってくることもあり、これが火事を発生させることもあるらしい。自然が毎日変化し「動く絵葉書」で自然は飽きないと、生産部長が言う。
  • チンキウエ公社のチンキとは島の意味、ウエとは場所のこと。ここはJICAが89年に建設した港波止場の魚陸揚げ場所兼倉庫。大きい施設。公社が借りている。オフィスには、海洋生物学部を卒業したチリ人女性と、エルサルバドルから研修に来ている若い男性がいる。

ア ク ア プ ロ 社

  • チンキウエ公社が出来たときは周りに何もなかった。しかし、今は向こうに新しい施設、そこは船からトラックでそのまま陸揚げできるので、そちらの方が多く利用されている。あちらは民間施設。だから、公社の魚陸揚げ場所兼倉庫施設の活用が少ないので、仲買会社に貸している。
  • アクアプロAQUAPUROだ。ここを見学する。責任者が説明してくれる。ここで浄化し出荷する。すべてチリで一番大きいリーデルLIDERスーパーにいく。アクアプロ社はそのためにリーデルスーパーがつくった会社。このスーパーは全国に90店ある。扱いはサケ、イガイ、フジツボ、カキ、ブラックタイガー、アサリ、ホヤ、ウニ、マキガイ、ホタテ、タラバガニ、エビ、ロコガイ、カニ、ヒラメ、カツオ、あじ、カジキ、タラ、イカ、そのほかにコロッケ、野菜も扱っている。とにかく多彩だ。
  • 週に四回20トントラックでサンティアゴのセンターに、六ヶ所のスーパーには直接運ぶ。チリにはこういう会社は他にない。もう一つの大きいスーパーのジュンボJUNBOは直接各業者から買っていると言う。牡蠣はチリが20万個、マガキが3万個。全体の10%から20%。ところが問題は2年前には今の2倍あった牡蠣が減った。衛生法律によって、牡蠣は眼の前で直接牡蠣剥きする売り場でないと販売できなくなったからであると言う。
  • 全国で牡蠣養殖業の会社はマガキが24社、チリが12社。これは養殖免許があるという意味である。市場での人気はチリ牡蠣の方である。チリ人は小さくて周りの外套幕が黒いのが好きだ。チリ牡蠣は国内消費だけになっている。
  • アクアプロ社の方針は「効率のよい養殖場をつくり、コストを下げ提供する」とのこと。

ス ー パ ー

  • 次に、サンティアゴのスーパー売り場を紹介する。JUMBOスーパーの魚売り場に行ってみると、冷蔵ケースに既に剥いてあるハーフシェルが並んでいる。価格を見ると、チリ牡蠣が16個で3504ペソ、一個219ペソ(48円)、小さいほうが30個で2970ペソ、一個99ペソ(22円)。箱に入れて上を透明紙で覆う。そこに剥いた日時が2006年7月29日11:15分とあり、賞味期限は7月30日と表示されている。売り場に来た時間は7月29日の12時だからまだ剥いてまもない。マガキはない。牡蠣剥き機で仕事している若い男性に聞くと、一週間にマガキは500個しか入ってこないので、すぐに売れてしまうという。
  • 地元の人に聞くと「マガキは輸出に廻っている」という。マガキの生産量は2003年が3662トン。2001年は7089トンあったのだから49%減である。半分になるには大きな理由があるはずだ。それが分からないので、養殖専門家に問い合わせたが回答は来ない。
  • チリ牡蠣の方は2003年で211トン生産。少ないがこの生産量は2001年が229トンだったから横ばいだ。このJUNBO店頭でチリ牡蠣を一日8000個から10,000個剥くという。
  • ちょうど買いに来ていたお年より男性は、牡蠣は時々食べるし、今日は土曜日なので家族三人で特別ソースをつくって、白ワインで楽しむと言い、牡蠣は高いのでいつもは食べないとも言う。今日は12個包んでもらった。JUMBOスーパーはチリ全土に20店くらいあるらしい。しかし、この店は客が多い。昼時なのに人が一杯。巨大店だ。日本のイオンスーパーに似ているつくり。アメリカのスーパーを参考に作ったのだろうと思う。

牡 蠣 専 門 店

  • 次に行ったのは、牡蠣専門店である。牡蠣と冷凍海産物を販売している。チリ牡蠣は100個単位で小が10000ペソ(2170円、一個21円)。中が 14000ペソ。SEMI EXが18000ペソ。EXPORTが24000ペソ。スーパーが27000ペソ。特大は今はないが35000ペソ。マガキも見せてくれる。チロエ島のマガキ。特大。これは一個350ペソ(76円)。水槽の中に牡蠣が保管されている。あまりよい水でない。マガキの食べ方はチーズをのせてオーブンで焼く。またはクリームをのせてオーブンで焼く。
  • 牡蠣の入荷は、毎日入ってくる。1.5日前に注文すると入ってくる。一日1400個売れるという。ということは1400個÷100個=14人の客と考え、 14人×平均単価を18000ペソとすると=252,000ペソ÷4.6=54,782円×月23日営業=1,259,986円の売り上げとなる。
  • 次に同業店に行く。QSTRAS AGUAS DEL PACIFICO。今日は100個8000ペソの売り出し看板が出ている。天然の牡蠣を扱っているという。週に二回入ってくる。ここは一個200ペソから100個8000から12000.17000となっている。客がテーブルで12個セット食べている。レモンと小さいグラスの白ワイン、それにパンとバター。中年紳士が100個剥いてもらっている。今日は8人でパーティすると言う。牡蠣は大好きだと言う。もうひとりスタイルのよい若い女性が入ってきて、後で来るかもしれないと言って出て行く。5時に閉めるが電話くれれば開けておくと、店の奥さんが伝えている。チリ人は見かけは厳しい顔しているが、話せば皆さん親切である。

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