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牡 蠣 養 殖 基 地 プ エ ル ト ・ モ ン

  • チリの牡蠣養殖基地に位置づけられるのは、サンティアゴから約1000キロ南に下ったプエルト・モンPUERTO MONTTである。ここに行くには飛行機で1時間40分かかる。
  • 飛行機内に入ってみると、客はチリ人の白人のみ。従って、機内の荷物はペルー人より少ない。ペルー人は親戚にお土産多くバックが大きい。ここはスペイン系白人国であり、中進国から先進国入りを目指している国なので、ヨーロッパよりは少し荷物が多いかなと思う程度。あえて日本との違いを言えば機内で座るまでが少しざわつく程度である。実際の牡蠣養殖はプエルト・モンから55キロ離れた島、チロエ島が主なる地域であるが、ここについては後でお伝えしたい。

チ ン キ ウ エ 公 社

  • さて、プエルト・モンに着くと、チンキウエ公社 FUNDACLON CHINQUIHUEの生産部長が出迎えてくれた。チリに通算三回勤務の13年間。 47歳の誕生日迎えたばかりの柔道二段の人物。頼もしい。現地の漁師より漁師らしい。驚いたのは半そで。一年中このスタイル。地元のチリ人もビックリ。南半球の7月は冬で、今日はマイナス二度になったというのに。確かに寒い。しかし、この地方にしては珍しく太陽が出ているので陽だまりは暖かい。バスだとここまではサンティアゴから12時間かかる。街の経済は鮭と鱒の漁業景気でよいらしい。家並みは杉の木の正目上にカットして、うろこ状に小さい木を壁に張る独特の板塀の家並みが続く。人口は20万人。

ア ン ヘ ル モ

  • まず、魚市場のアンヘルモANGELMOへ行く。漁村である。観光客も相手にするので、土産屋もあり海産物が大量に並んでいる。アワビ、ウニ、カニ、コングリオ(キングクリップ)レイラィツタ(マナガツオ類)トージョ(サメの類)ベスカーダ(ニベ類)ペヘレイ(トウゴロウイワシ科)等が並んでいて、その場で調理してくれる。見事な包丁捌きだ。
  • 食事ができるような店も並んでいる。クラントCURANTOという料理。内容は数種類の貝とジャガイモやソーセージ等を一緒にグツグツ煮込んである。

野 良 犬

  • 陽だまりに野犬がのうのうと寝ている。それを写真撮ると生産部長が言う。地元の人が日本人はよく犬を写真に撮ると言う。どうして写真撮るのかと聞かれる。日本には犬はいないのかとも聞かれる。答えは日本には野犬がいないから、首輪もなくその辺りふらついている野良犬は珍しいのだ。日本では野良犬は市役所に連れて行かれて処分されてしまう。こちらの犬は狂犬病の注射をしていないと言う。だから、犬に咬まれると、慌てて人間が病院に行き狂犬病の注射してもらうことになる。日本と逆だ。また、犬は道路に寝込んだ酔っ払いを咬み殺したり、羊を襲うので市が取り締まりしようとしているが予算がないので中止とのこと。だから野良犬は観光客が多勢通る道筋に大の字になって寝ている。それが日本人にはとても珍しい光景で、犬好きの人が写真を撮るということになる。なお、猫は見かけない。少ないようだ。

チ リ の 富 士 山

  • sign_10.jpgオソルソ山
  • ここから見える富士山そっくりのオソルソ山OSORNO 2652mが美しい。本当に富士山そっくりにビックリする。地元の人もフジといっているらしい。
  • 市場でイガイが三種類。そのイガイは生で食べる。買ったばかりのイガイを地元の人が実際に食べている。隣にチリ牡蠣が並んでいる。大きい箱のものが16個入りで6000ペソ、一個375ペソ(81円)。小さい箱が4000ペソ一個250ペソ(54円)。チリ牡蠣は成長が遅い。4年から5年かかる。5年経ってもまだマガキに比べて小さい。また、カドニウムが多く入っているらしい。火山地帯なので重金属が多いのだ。これが輸出できない最大の理由。

暖 房 は 薪

  • この辺りの家並みに煙突が目立つ。煙が上って街中が煙い。暖房は薪。懐かしい煙い風景だ。可児さんのところではトラック一杯で冬の間20,000ペソ (4300円)ですむ。石油だと10万ペソ(21,700円)かかる。薪材はデバ、松、アレルセなど。自然環境団体から文句が出そうだが、石油を採って燃やしているのと、どちらがひどい自然破壊か。薪はまた植えれば育つから、こちらの方がよいという論理もある。世界にはいろいろな生活方法があるので、日本の実態だけで一概に結論付け出来ないと思う。

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