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HOME > ストーリー > シャブリを生んだ牡蠣の話

フランスを代表する白ワインといえば、真っ先にシャブリを思い浮かべられる方も多いのではないでしょうか。かきと白ワインの相性は、さまざまな場で語られていますが、中でもキリリと冷えた良質なシャブリと生かきは、多くの食通に愛される特別な組み合わせです。

そして、それは単なる偶然ではありません。実はシャブリとかきは、食卓に並ぶはるか前から出会っているのです。この有名なワインを生み出しているのがフランス・ブルゴーニュ地方のシャブリ地区。この土壌からは大量のかきの化石が見つかっています。中でも品質の高さで知られるグラン・クリュの畑では、それが顕著です。太古の時代、シャブリ地区は海の底にありました。堆積したかき殻が化石となり、それが風化して溶け出した栄養分が良質なシャブリの原料となるブドウを育んでいます。

ワインとして醸造された後も、シャブリが食品としてのかきと絶妙なハーモニーを奏でるのは、この地域ではるか昔に隆盛を誇っていたかきの存在に秘密があります。川が運び、海に注ぎ込まれた大地の恵みを、再び大地に返す循環…それを促すことが当社の事業ですが、シャブリは気の遠くなるほどの年月をかけた壮大な自然の循環によって生まれたワイン。日本でも近年では、良質な白ワインを生み出そうと、かき殻を使った土壌改良への取り組みが始まっています。このように、野菜だけでなく、おいしいお酒づくりにも、かき殻の力は役立っているのです。